秋吉理香子『絶対正義』はイヤミス。正義とは何かを考えさせられる。

2018-05-11Book, 読書記録2016年, 小説, 感想, 秋吉理香子

イヤミスとは、後味の悪い嫌な気分になるミステリーのこと。

あまり好きではないけれど、
秋吉理香子さんは好きなので、今回『絶対正義』を読みました。

これは最初から気分が悪い。
正義は正しいの?本当に?
そう思ってしまう作品でした。
怖いです。
正義が怖い・・・そんなことがあるなんて!

秋吉理香子『絶対正義』作品紹介

範子はいつでも礼儀正しく、一つの間違いも犯さず、また決して罪を許さない。
なにより正義を愛していた。

和樹は、痴漢から助けてもらった。
由美子は、働かない夫を説得してもらった。
理穂は、無実の罪を証明してもらった。
麗香は、ピンチを救われチャンスを手にした。

彼女たちは大いに感謝し、そして、のちに範子を殺した。

しかし、死んだはずの範子からパーティへの招待状が届いた。
そこで、四人が見たものとは―?

正義とは何かわからなくなった

正義って何ですか?

辞書によると、正義とは
『人間の社会的関係において実現されるべき究極的な価値。善と同義に用いられることもあるが,善が主として人間の個人的態度にかかわる道徳的な価値をさすのに対して,正義は人間の対他的関係の規律にかかわる法的な価値をさす。』

法的な価値…まさしく範子は法律を遵守することだけを大切に生きている。
そこに友情とか優しさとかは一切ない。
正義の鉄槌を下すことに恍惚感を覚えているのだ。
“正義に耽って”いるのだ。

最初はそれを頼もしく素晴らしく感じていた友人4人も、しだいに違和感を感じて追い詰められていく。

この本を読んでいて、どうしても正義が正しいとは思えなくなってしまった。

【ヒーローはまっすぐ正義だけを見つめ、悪を攻撃することに一生懸命だ。けれども正義のヒーローの攻撃によって周囲の自然や建物は破壊され、車や電車は吹き飛び、人々は流血して逃げまどう。だったら結局はモンスターがやっていることと同じなのではないか。】
そういうこと。

【正義に耽る】
恐ろしい言葉だ。

余談だけれど、いちいち法律を持ち出してくる範子。
調べて探し出して追い詰める。
弁護士には向いてなさそうだけど、何故検事を目指さなかったのだろう?
どこかで挫折を味わってほしかった。

おわりに

『絶対正義』の装丁を見るのが、今は気持ち悪い。
りんどうの花を手にしているのですよ。
知らなければ何も思わないけど、
りんどうの花言葉は「正義」です。
怖い。
いや、決して法に背いているわけではないですよ。
だけど、範子のような人がもし身近にいたら・・・とにかく怖い。
イヤミスという言葉が今は気持ち悪い。
りんどうの花もしばらく見たくないな。
申し訳ないけど。

次は甘々な恋愛小説でも読みたいなと思うのです。



よろしければ、ポチっと応援お願いします。



本・書籍ランキング

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村